営業・企画職のためのXMLレシピ 第2回:誕生までの歴史からXMLを理解しよう(後篇)

XML/XML DBのサイバーテック:連載コラム/営業・企画職のためのXMLレシピ

2010年12月7日
事業本部 副本部長 小野 雅史

第1回では、XMLの起源である「マークアップ言語」について書きました。今回は、XMLの誕生経緯と、XMLがどのように世の中に受け入れられたかを紹介します。

1. マルチメディア・インターネット、HTML

1986年に、文書の装飾に関する記号と、文書の構造や意味に関する記号を同時に表現する事ができるマークアップ言語であるSGML(Standard Generalized Markup Language)がISOの国際標準規格になりました。そして1980年代後半から1990年代前半にかけて、大きな2つの流れが起こります。

一つは、「マルチメディア」。1980年代後半のマルチメディアパソコン・AppleのHyperCardなど懐かしく感じられる方も多いと思います。私自身も、1989年に某メーカーの社員として初めて配属されたシステム部門で、マルチメディアパソコンとオーサリングツールを駆使したコンテンツや教材、プレゼンテーションを作りまくっていた時期が丁度この頃なのです。

もう一つは「商用インターネット」の始まりです。WWW(WorldWideWeb)という言葉が誕生したのがこの時期です。一般企業や個人が本格的にインターネットを利用し始めたのは、1990年代半ばです。ダイヤルアップ回線で「Mosaic」や「カメレオン」(懐かしい!)などのWebブラウザを使った、ネットサーフィンを楽しむ時代が到来しました。

SGMLが出版物の構造や意味を表現するのに留まったのに対して、マルチメディアコンテンツは「クリックしたら関連するページ(カード)に飛ぶ」ハイパーテキストという機能を持っています。Webブラウザで表示されるコンテンツは、テキストだけでなく画像や音声を扱う事ができるマルチメディア性を持ちながらも、文書としての構造を持っています。これを実現するために、SGMLの拡張版として、Webブラウザで表示するための装飾情報に関する記述方法を設定したものがHTML(Hyper Text Markup Language)です。

2. SGMLからXMLへ

SGMLの流れを受けて、マークアップ言語はさらに進化を遂げます。SGMLはドキュメント構造化の分野では普及しましたが、時代の流れに即した進化が求められました。そして、1994年、W3C(World Wide Web Consortium)の設立当初からXMLは、SGMLのサブセットとして仕様検討が行われ、1996年にワーキングドラフトが公開、1998年に標準仕様として、正式に勧告されました。XMLの特長は以下の通りです。

SGMLやHTML同様、「テキスト」をベースとしているので誰でもテキストビューアがあれば内容を見る事が可能

仕様として、SGMLとの互換性を維持

SGMLよりコンピュータでの取扱い(特に処理能力)に優れている

SGMLに比べて仕様自体がシンプル

HTMLとは異なり、ユーザ自身でタグを設定できるため、様々な分野での応用が可能

文書構造と意味を表現できるという特長を生かしながらも、コンピュータでの処理を前提としたマークアップ言語であるXMLはその後、印刷・出版やドキュメント制作の現場だけでなく、企業のシステムやデータを扱う人の間で一気に認知され始めました。企業毎に異なるシステムのデータを効率良く交換・流通するためのデータフォーマットとして、XMLを使った「業界標準フォーマット」の策定が進んだのです。

3. XMLを生かすも殺すも、料理人の腕次第?

XMLの誕生までを紐と解いてみて、改めて確認できたことがあります。それは、XMLという技術を生かすも殺すもそれを使いこなす料理人の腕次第だと言う事です。XMLを見せて「どうです。すごいでしょ?この技術を使えば御社の課題は何でも解決できますよ。」と言われても、ユーザは困るわけです。

ドキュメントや印刷の分野であれば、XMLで「文書を構造化する」のに適したドキュメントと適さないドキュメントがある事を理解し、構造化のプロセスを示す事ができる。また、マークアップ言語の目的である「意味を付与する」という所に着目し、ドキュメントも含めたあらゆる情報に対して意味を付与し情報を共有するためのしくみ全体を示す事ができる。さらに、あるシステムと別の企業のシステムでデータを効率良く流通したい場合、XMLのフォーマットだけでなく、それを使った帳票やワークフローまで着目する事ができる。

私たちは、こんなプロのXMLの料理人を目指して、悪戦苦労しながらも日々努力を続けています。XMLを扱える技術者は、資格試験制度などにより着実に増えています。

しかし、技術者(プロの調理人)に対して、盛り付けも含めてお客様に出すための料理とメニューを作るプロの料理人が圧倒的に不足しているのです。いよいよ次回からは、メニューを構成する料理(XMLの使いどころ)を一つ一つ掘り下げて紹介しようと思います。

※参考資料
  • ウイキペディア フリー百科事典
  • 電子書籍メディア論・週刊イーブックストラテジー(発行者:境 祐司 様)7月28日号
の公開されているサンプルを参考にさせて頂きました。
http://design-zero.tv/2010/mailmagazine/sample/20100728/index.html

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