営業・企画職のためのXMLレシピ 第14回:営業・企画者のためのXML

XML/XML DBのサイバーテック:連載コラム/営業・企画職のためのXMLレシピ

2011年12月1日
クロスメディア開発部 部長 小野 雅史

Webサイトを見るとXMLの技術情報はすぐに見つかりますが、現場や営業、企画職にとって役立つ情報源を見つけるのに苦労している方が多いと思います。今回は私自身が行っているXMLに関するニュースソースや情報収集の方法についてお話します。

WebサイトはXMLの技術情報ばかり!

Webサイトで「XML」と検索しても技術情報ばかりで、XML市場や現実のビジネスとの結びつきに関する情報にはなかなか辿り着けません。

私がWebサイトからXMLの情報収集を行うシーンは、業界毎のXML標準化動向に関する情報が知りたい時です。XMLをデータフォーマットとした業界サプライチャーンのデータ交換の仕組みは2000年頃から様々な業界で検討されています。このようなWebサイトには業界標準のXMLデータフォーマットの情報だけでなく、業界のビジネス構造も見えてくる事があります。中には古い情報もあり現在更新されていない情報もあるのでご注意を。

JPO日本出版インフラセンター http://www.jpo.or.jp/
キーワード「書誌XML」

日本特許情報機構 http://www.japio.or.jp/service/service03_01.html
キーワード「特許XML」

物流EDIセンター http://www.butsuryu.or.jp/edi/
キーワード「物流XML」

日本建設情報総合センター http://www.jacic.or.jp/jacic-hp/index.php
キーワード「建設XML」

日本医師会治験促進センター http://www.jmacct.med.or.jp/
キーワード「医療XML」

研究会・勉強会で「現場と業務」を知る。

情報収集の手段としてはネットやメーリングリストは手軽に入手する事ができますが、やはりあるテーマに沿った研究会や勉強会に参加して「現場の情報」を知る事はとても重要です。

私は、6年前から出版印刷とXMLに関する研究会に参加しています。「XMLコンソーシアム」というXMLの推進団体の中の「クロスメディアパブリッシング部会」が前身の研究会で、現在は母体をJAGAT(社団法人 日本印刷技術協会)に移し「JAGAT XMLパブリッシング準研究会」として毎月1回、Face to Faceの定例研究会とSNSで活動をしています。

この研究会の活動について少し触れておきます。教材や参考書、辞書など主に出版物の制作においてXML技術を活用し、紙の制作だけでなく電子書籍などへのマルチユースへの展開をしやすくするための「ツール開発」「制作フローの研究」「技術動向のキャッチアップ」を目的としています。メンバーは2011年12月現在で約25名。出版社、印刷会社、ソフトウェア会社で構成されています。実際に業務でXMLを使った出版物の制作をされている方から、XMLの可能性を感じつつまだ手探り状態の方まで、様々な方が参加しています。勿論私のような技術者でない編集者、営業系の方も参加しています。

「FANTaStIKK」EPUB生成デモ

この研究会は、大きく2つのグループに分かれて活動しています。技術系のグループは、業務の合間に手弁当で作成したGUIの設定だけでXMLを自動組版するツール「FANTaStIKK」(ファンタスティック)とJepaX対応のXML入力ツール「Jepasspo」(ジェパスポ)の開発と普及を行っています。こういった現場の意見から生まれた現場のためのツールがどんどん普及する事で誰でもコンテンツのXML化ができてしまう。そんな事を目指しています。

「FANTaStIKK」と「Jepasspo」の情報はこちらのWebサイトで掲載しています。
http://sites.google.com/site/fantastikk2010/

「FANTaStIKK」は、PDFだけでなくEPUBも生成できるのです。
http://sites.google.com/site/fantastikk2010/demo

もうひとつのグループは、プロジェクトを通じて出版コンンテンツをXML化する制作フローを研究しています。現在は、ある視覚障害者向けの学習教材をテーマに、「紙面の分析作業」「XMLタグ付け作業」「レイウアト結果の確認」など実際のXML化の工程をメンバー全員で分担しながら、出版コンテンツのXML化を行っています。

しかし、この過程で様々な課題があるのは事実で、そのため出版物の編集現場では、「XMLは編集現場の人間にとって敷居が高い」「レイアウトが自由だからDTPでいいじゃん」という声が上がってしまっているのも事実です。このグループでは出版物をXML化する過程を実業務/実体験を通じて整理し、そこで得たノウハウを整理し公開し、さらにはツールへのフィードバックをしていこうとしています。

かなり研究会の宣伝っぽくなってしまいましたが、このような仲間との情報交換は非常に重要ではないかと思います。ついでに仲間も大募集中です!ご興味ある方はメール下さい。

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