営業・企画職のためのXMLレシピ 第11回:XML・XMLデータベース商談ウラ話

XML/XML DBのサイバーテック:連載コラム/営業・企画職のためのXMLレシピ

2011年9月8日
クロスメディア開発部 部長 小野 雅史

前回までは、XMLを「コンピュータで効率良く処理できるドキュメント・フォーマット」という視点から、ドキュメント管理の7つの用途について解説しました。今回は視点を変えて「XMLに対するお客様のニーズ」を切り口に、商談のエピソードを交えながら、お客様側の視点に立ったXMLのメリットや業界毎の情報システムとの関連性について書きたいと思います。

現場で活躍するEXCELとXML(食品加工メーカー)

ものづくりの現場ではコンピュータやソフトウェアが欠かせない存在になっています。お問い合わせを頂いた製造業のお客様を訪問すると、情報管理やXMLに関して良くご存じの方が多い事に驚かされます。

5年程前、ある食品加工メーカーの品質管理部門を訪問した時の事です。マネージャの方は、品質試験の計画、実行、試験結果の保存、レポートの作成等の業務効率化のために、Excelマクロを駆使し、製品の試験結果をデータとして蓄積、必要に応じてレポートを出力するツールをご自身で作成されていました。

「工場のラインとそこを流れる加工食品の種類、そして加工食品を構成する個々の食材は、実は頻繁に変更されるのですよ。また、近年はその試験結果を本社の品質管理本部だけでなく認証試験の機関や関係省庁の窓口にも提出しなければならないため、試験データと報告文書とを組み見合わせたレポートを作成する手間が非常に増えているのです。」

さらに、「Excelは、試験データなど集計に使う数値データとレポート作成に使う文字を両方扱う事ができて便利なのですが、あくまで個人レベルの情報管理にとどまってしまいます。部門内で共有して使うためにはXMLのような標準的なデータフォーマットで管理して自由にデータを取り出したり、加工したりするシステムが必要だと感じています。」

このお話を聞いて、工場の現場部門ではこういった「日々変化するデータを手軽に扱える便利なツール」のニーズが存在する事を改めて認識しました。

しかし、ニーズが存在しXMLの有用性を理解していただいても、費用対効果が合わなければ実現に向けて前に進みません。Excelで実現しているものをそのままXML化するだけでは、期待する費用対効果が得られません。このような場合は、現場部門でデータが蓄積され、一元化した時の費用対効果が明確になるまで経過を見守る事も必要です。

マスタデータの統合とXML(大手システムベンダの金融機関担当者様・官公庁担当者様)

私たちは、金融業や官公庁のお客様との直接の接点があまり多くありません。逆にベンダ様の金融システム、官公庁の担当者様を通じて相談を受ける場合がほとんどです。金融や官公庁に関係するお話の半分は、「各所に散在したデータやデータベースを統合したい。その時に異なるデータ構造を効率良く吸収できるXMLデータベースが良いかもしれない」という内容です。

確かに様々なデータフォーマットの違いを吸収するために、中間データベースとしてXMLデータベースを導入されたお客様の事例もあります。しかし、全てのマスタデータ統合やリポジトリ統合の中間データベースにXMLデータベースが有効かと言うとそうではありません。このような相談を受けた時には、以下の要件があるかどうかを確認しています。

1.中間データベースに蓄積するデータはドキュメントデータで別業務での再利用ニーズが存在するか?

数値データばかりのデータをXML形式にして管理してもあまりメリットがありません。特に大量の数値データは統計解析や分析に利用する場合がほとんどであり、逆にこういった用途の場合は、RDBで管理した方が良いのです。

2.中間データベースの構造変更は頻繁に発生する可能性があるか?

1年に1回程度のデータ構造の変更頻度であればXMLの柔軟性や拡張性は不要でしょう。情報システム部門が負担するシステムメンテナンス費用との比較が必要です。

3.蓄積するデータ量とトランザクション量はどれくらいか?

これをお聞きすると「現在のRDBの容量が1GBで、その他word/pdfなどの数万点のドキュメントを合わせると数TBになります」という回答を頂く場合があります。wordやpdfのようなバイナリファイルをそのままXMLデータベースに格納したり、word文書をXMLにすべて分解してXML化する必然性があるケースは皆無です。

このような要件のヒアリングを行いながら、本当に中間データベースで管理すべきデータは何で、それはXMLである必要があるのか?を検討する事が重要です。このように適用メリットが見えにくい案件については、システム的な要求事項だけでなく、顧客側の課題やベンダ様の提案内容までを深くヒアリングする事が重要です。

商談やセミナーで良く受ける質問ベスト3

最後に、商談の現場やセミナーで良く聞かれる質問のベスト3を書きます。

1.「今、お客様のシステムはRDBで運用されているけど、そのままXMLのシステムに移行できるの?」

技術的には可能ですが、RDBベースのシステムをそのままXMLに置き換えるメリットはないとお考え下さい。RDBをXML DBに置き換える場合は、必ず業務からの要求事項を元に管理するデータそのものの再設計を行う必要があるからです。その結果、RDBとの共存も含めた選択肢をご提案する事もあります。

2.「カタログに検索が速いって書いてあるけど、RDBをXML DBに変えるとどれくらい検索が速くなるの?タグが入るから処理速度は遅くなるはずだけど。」

良くある誤解ですが、現状のRDBベースのシステムの性能劣化をXML DBで補う事はできません。「RDB上でXMLもしくはXMLのような階層構造のデータを扱っている」という前提であれば、そこで顕在化した性能劣化の問題をXMLデータベース化する事で解決する事はできるかもしれない、と理解して下さい。

3.「ExcelやWordをXMLデータベース化するにはどうしたら良いの?」

企業内に蓄積した大量の文書(約款や教材、マニュアル(取扱説明書)や契約書など)を素早く検索したい、というニーズから来る質問です。技術的には変換ツールを使って一括変換する事は可能ですが、機械的に全自動で変換する事は困難とお考え下さい。文書をXML化すると言う事は、「文書の構造を決める事」であり、現場が自由作成したword文書にそもそも「文書構造」がなければ、XMLにしてもそれはただのテキストでしかなく、そのようなデータにはXML化して再利用するメリットがないのです。

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