操作マニュアル(取扱説明書)には多くの素材が必要とされます。ボタンの配置などのUIをわかりやすく紹介するための画像や、操作結果に対応した操作画面のキャプチャなど、画像素材のパターンは多岐にわたります。マニュアルのページ数の増加に応じて、素材の掲載数も膨大な量となり、マニュアルの編集者は素材データの管理も並行して作業を行うことになります。
画像だけではなく、Microsoft ExcelやMicrosoft Word、Microsoft PowerPointなどで作成された表データ、グラフ、フローチャート図などのデータもマニュアルに掲載される素材データとなります。また、Web上で公開されるマニュアルの場合は動画素材も利用することがあります。
マニュアル作成システム「PMX」は、マニュアル用のCMSとして、これらの素材を一元管理することができます。検索用のタグも標準機能として備えており、膨大な量の素材データの中から目的とするデータを簡単に選択することができます。
しかしながら、簡単に目的の素材を選択できる機能を活用したとしても、多言語展開されるマニュアルにおいて、翻訳言語別に図表や挿絵といった素材を活用する必要がある場合、同じ種類の素材を言語ごとに管理し、選択する作業は困難を極めます。ひとつひとつの素材ごとに翻訳先の言語に応じたデータが存在するのか否かを確認しながら、存在する場合には確実にその言語の素材を差替えていくといった、熟練の編集者にとっても非常に繊細な注意を要する作業となります。
マニュアル作成システム「PMX」では、マニュアル用のCMS製品として、図表や挿絵をはじめとする、様々な素材データを多言語にて管理できるオプション機能をご用意しております。この機能を利用すると、素材データを「PMX」に登録する際に言語情報を設定することができます。
▼素材登録画面における言語情報の設定の一例
また、多言語管理を行いたい素材データに関しては、素材同士に関連性を持たせた上で、言語情報を設定することもできます。
▼素材の言語情報の展開状況の表示例
上記の表示例においては、3種類の言語が紐づけられている状態となります。
このように一つの素材データとして見る事が出来るにもかかわらず、言語ごとの素材として関連情報を持つことができるため、複雑となる多言語素材の管理においても、マニュアルのライティング作業と切り離して管理することが可能となります。
マニュアル用CMS製品の「PMX」における素材の多言語管理機能において、最大の利点は翻訳時に発揮されます。「PMX」のオプション機能である「CATツール連携」機能 や「Google翻訳」機能、「DeepL翻訳」機能と 合わせて活用すると、初稿翻訳時に対象言語にて訳文データが入稿された際に、翻訳先の言語情報があらかじめ設定されている素材データを「PMX」が自動で判定し、訳文内に配置します。
▼ドキュメントを翻訳依頼する際の一例
「CATツール連携」機能を利用し、ドキュメントを翻訳依頼します。この際、翻訳対象となるのは、ドキュメントのテキスト部分のみとなりますが、原文に配置された素材情報を保持したままCATツールに連携されます。
この間に、翻訳先の言語に対応する素材を用意します。原文に配置された素材データと紐づける設定をしておき、訳文データが入稿されるのを待ちます。対応した言語の素材をあらかじめ準備した上で、対象言語の素材として登録しておくことも可能です。
▼翻訳処理終了後に「PMX」が生成したドキュメントの表示例
上記の表示例は、英語に翻訳された訳文データを「PMX」に取り込んだ直後の状態となります。ドキュメントのテキスト部分のみが翻訳対象となるため、画像データの切り替えはユーザー側では操作しておりません。「PMX」が自動で言語間のつながりを判定し、ドキュメントに設定された言語に対応する素材データを自動で選択し配置します。
このようにライティング作業、翻訳依頼作業、素材データ管理作業をそれぞれ切り分けて操作できるため、同時並行にて作業を進めることができます。非常に効率的に工程のスケジュールを組むことができ、納期の短縮にもつながります。
▼多言語展開時のフロー
素材によっては、逆にどの言語でも共通の素材データを使用する場合もありますが、そのような場合も「PMX」が素材データの言語の紐づけ設定を判別します。共通素材を使用してある箇所は、訳文用のドキュメントにおいても言語に関係無く、共通の素材をそのまま掲載することが可能となります。素材の切り替えを「PMX」に丸投げすることができるので、言語ごとの素材の人為的な切り替えミスの発生を抑えることができます。マニュアル内に大量の素材の掲載があったとしても、言語の紐づけを判定する精度は落ちません。
マニュアル用CMS製品「PMX」を活用いただくことで、少しでも素材管理に要する労力を削減し、スムーズにマニュアルの多言語展開を進めていただくことができます。
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