フィリピンでのBPO・オフショア開発~ITアウトソーシングからラボ型開発まで

フィリピンでのオフショア開発~受託開発からラボ型開発まで 詳細ページはこちら

当社はBPO・ITアウトソーシングといった形で、オフショア開発やWebサイト制作・運用保守サービスの提供を2003年から行っています。弊社のイメージは「フィリピン セブ島」かと思いますが、実はオフショアを志向した出発点は、中国の上海でした。
そういったお話や、よく聞かれる「なぜフィリピン?」「なぜセブ島?」といった事まで、ちょっと大げさですが、海外オフショアに携わってきた歴史の集大成として、全15話にまとめました。

  • はじめに~実はオフショア拠点を開設するはずではありませんでした。

    株式会社サイバーテックは1998年に創業してから、「ITによる社会貢献」を目指しております。日本国内の企業様にXML技術の提供から開始し、XMLデータベース製品の提供や、DBMSとして活用した自社CMS(コンテンツ管理システム)といったドキュメント関連の自社開発ソフトウェアを提供することが事業の柱となっています。一方、様々なWebシステムの開発・Webサイト制作やコンテンツ移行・Webサイト運用代行といったWebソリューションや、単純なデータ加工からAI向け学習データ作成、といった、BPOやITアウトソーシングを提供しています。
  • オフショア開発を目指した理由と背景

    2002年当時のサイバーテックは、現在の事業内容(2018年9月8日時点)となる「ドキュメントソリューション・Webソリューション・ITアウトソーシング」となる、ソフトウェア製品とBPO・ITサービスの提供とは様相とはかなり異なっていました。どのような事をしていたのかというと、当時は非常に目新しい存在であった、XML技術を帳票ソリューションやデータ連携システム(EAI/EDI)などに応用したシステムの受託開発や、XMLデータベース(eXcelon)やオブジェクト指向データベース(ObjectStore)といった特殊なDBMSを中心としたシステム開発を、主にSIベンダー(システムインテグレータ)から受託する、というものが大半でした。
  • 中国・上海でのオフショア開発・BPOをとりまく当時の状況

    初めて渡航する中国 上海は現在と異なり、当時は物価も安いが人口は多く、オフショア開発やBPO・ITアウトソーシングの拠点としては魅力的なエリアでした。今は高層ビルが立ち並ぶ浦東地区もテレビ塔ぐらいしか大きな建物は無く、物価もさほど高くはない状況でした。かつ上海にオフショア拠点を設立しようとしていた企業はたいてい同じような考えを持っていたかと思いますが、14億人市場へ将来的に自社ソフトウェア製品を開発し、展開する際のセールス・サポート拠点としても活用したい、という思惑もありました。
  • 中国・上海でオフショア開発がいよいよスタート~ラボ型開発で開始

    今回は初めての海外渡航でしたし、中国や上海のことも全く分からない状況でもあったため、まずは様子を見るつもりでしたが、ハイスペックのエンジニアが人月25万円という安さでその場で提案されました。現在の単価が高止まりしている上海では、エンジニアどころか、BPOやITアウトソーシングですらそのような単価では依頼が難しいでしょうけれども、当時はまだまだそれぐらいの単価でした。海外オフショア委託自体はじめての試みでしたが、単価の安さにひかれ、紹介された2社の現地企業のうちの1社とトライアルプロジェクトを進めることにしました。
  • オフショア開発~パイロットプロジェクトが開始したけれども・・・

    中国 上海で開始したラボ型契約による開発プロジェクトでは、「オブジェクト指向を理解している」「C++をソースコードレベルで修正することができる」という条件でエンジニアをアサインしてもらいました。ただ、実際にプロジェクトを進めると、確かにコーディングスピードは速いメンバーがいたものの、すぐにスキルのばらつきが大きいということが分かりました。
  • オフショア開発~パイロットプロジェクトのメンバー離脱

    パイロットプロジェクトのメンバーであるエンジニア一人ひとりをみると優秀な人もいたと思いますが、ブリッジマネージャーが社長であるため、そこにボトルネックが発生する状況において、では代わりに日本語と中国語を自由に使えて技術力もあるメンバーを採用しようか、という事も模索しました。しかしながら、そのような人物は当時ほぼ全て自ら会社を興しており、経営者以外でそういったスペックを有する人は全く採用できる見込みはありませんでした。
  • 中国からの撤退~オフショア開発に求めるものを再検討

    パイロットプロジェクトのメンバーが不在となる中、プロジェクトメンバーを再度どのようにしてアサインすべきか?という話し合いが現地ベンダーと行われていました。そのような中、常に工事現場のような、空が見えない上海に渡航するたび、どんどん街が発展し、それとともに物価もどんどん上昇しつつありました。
  • オフショア開発を継続するか否か、という判断~BPO・ITアウトソーシングを見据え

    中国からは完全撤退する、という判断は行いましたが、オフショア開発自体もあきらめるという判断はまだ行っていませんでした。中国で顕在化した「カントリーリスク」「コミュニケーションリスク」の2点が解消でき、かつ十分なコストメリットが得られるのであれば、授業料を払ってせっかく得られた様々なノウハウを活かす意味でも、オフショア開発に再トライする事はありかもと考えてはいました。かつ、当時盛んになっていたBPOやITアウトソーシングの海外委託を受託することも視野にいれたいとは考えていました。ただし再トライするにしても、今回が最後と考えていました。
  • 新しい評価軸で、候補地選定へ。英語によるコミュニケーションが必須

    中国でのオフショア開発プロジェクトは、はっきり言って失敗でした。それらの理由を検討した結果、英語圏という条件で、BPO・ITアウトソーシングやオフショア開発が委託できそうな国、という面と、オフショア委託企業、といった両面でのリサーチを本格的に開始しました。私としても、中国語は全く分かりませんが、英語であれば何とかなると思いました。
  • BPO・オフショア開発の最終候補地:ベトナムとフィリピン

    当然、フィリピンとベトナム、どちらも見に行きました。ベトナムはまじめな国民性ということは当時も聞いていましたが、確かにその通りであり、日本人の感性とかなりマッチするのではないか、と考えました。逆にフィリピン人はラテン系というか、明るいのは良いことですが、なんでも笑って済ませるような感じがしたので、日本人の感性に合うのか、とても心配でした。ただ、この物価水準で高い英語力を得る事ができるのは大きなアドバンテージでした。
  • オフショア実施国としてはフィリピンを決定、しかし価格面で問題が

    オフショア委託をする対象国としてはフィリピンに決定しましたが、どこの都市で実施するか、ということは未決定でした。第一候補は首都であるマニラというのが王道ですが、想像以上に大都市であり、中心部であるマカティ地区は高層ビルがそびえたつ状況。したがって物価水準もそれなりに高いものがありました。それはベトナムのホーチミンよりも町は発展しており、当時のマニラの物価水準はホーチミンをしのぐ状況にありました。さらに、マニラは治安面においても不安があり、国としてフィリピンを第一候補としたものの、マニラは見送ることに決めました。
  • フィリピン・セブでオフショア開発~トライアルプロジェクト実施

    インフラ面含め不安は残るものの、セブを第一候補として、トライアルプロジェクトを2社と実施することにしました。内容としては、XMLデータベース「NeoCore」を活用したナレッジ管理システムの開発をすべく、とりあえずJavaが分かるエンジニアをアサインしていただき、NeoCoreを用いた開発に必須となるXMLの知識は後追いで学習してもらおう、ということになりました。
  • フィリピン セブ島に自社オフショア開発・BPO拠点を開設することに

    ところが、状況が一変します。委託候補先2社のうち1社とは進んでいましたが、もう1社と協議をすすめていた矢先、その企業の日本本社が不祥事にて経営破綻しました。現地拠点には開発案件どころか、簡単なBPOやITアウトソーシング案件すら全く来なくなったようで、自分たちはこのままで良いのか?という不安から、ばらばらと退職してゆくという状況になりました。その手の話にはフィリピン人は非常に敏感なようで、我々がラボ契約しようとしていたエンジニアたちも退職する、という話になりました。
  • BPOやITアウトソーシング・開発のオフショア拠点設立その後

    2006年8月付で拠点を開設してから10年以上たちますが(実際は一年前から現地入りし立ち上げ準備)、メンバー育成も進み、安定した拠点運営がなされています。色々と社外秘のノウハウも存在するのですが、低い離職率である3%という実績が物語る通り(2018年度実績。自発的な退職者のみカウント)、開発プロジェクトやBPO・ITアウトソーシングといった様々なプロジェクトにおいても安定した品質を提供することを実現しております。
  • ふりかえり~自社オフショア拠点をフィリピン セブ島に開設した事は、本当に良かったのか?

    当社には、CMSやデータベース製品といった自社製品を有しており、かつ確固たるノウハウ(=XML)と、特定分野に強い(=ドキュメント、Webサイトの運営や、ITアウトソーシング・BPO)という事業構造がありました。それらの技術移転やノウハウを本社とフィリピン セブITアウトソーシングセンターの間で共有する範囲を絞ることが出来たため、結果的には良かったと思います。

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