販促ツール自動作成システム

株式会社ジェイ・アイ・シー様

JTBグループの広告会社として、旅行商品のパンフレット・カタログ・チラシ等の制作を手掛ける同社。従来の制作フローを見直し、データベースに「NeoCore」を据えた販促ツール自動作成システムを構築した。これによるワンソース・マルチユースの実現で、販促ツールの作成業務を簡素化。さらには、社内での運用実績をベースに、さまざまな業種に対して販促ツール自動作成ASPサービスの展開を図っている。

販促ツール自動作成システム

株式会社ジェイ・アイ・シー

XMLによるワンソース・マルチユースの実現で、販促ツールの作成業務を簡素化
ASPサービスとして、ソリューション展開を図る

JTBグループの広告会社として、旅行商品のパンフレット・カタログ・チラシ等の制作を手掛けるジェイ・アイ・シーは、従来の制作フローを見直し、データベースに「NeoCore」を据えた販促ツール自動作成システムを構築した。これにより、データの一元管理と工数削減を実現。さらに同社では、社内での運用実績をベースに、さまざまな業種に対して販促ツール自動作成ASPサービスの展開を図っている。

株式会社ジェイ・アイ・シー様画面キャプチャ

背景

それぞれの部署で作成していた販促物のデータを一元管理して、手間を軽減したい

株式会社ジェイ・アイ・シー/加藤八十司氏の写真

1951年の創業以来、JTBグループの唯一の広告会社として旅行・観光関連分野を中心に新聞・雑誌広告の企画・制作をはじめ、チラシやカタログ、パンフレットの企画・制作、セールスプロモーション企画、イベント企画・運営等、幅広く事業を展開する株式会社ジェイ・アイ・シー(以下、JIC)。

同社では「IMC」(Integrated Marketing Communication)に基づいた考え方によるデータベースから購買にいたる一連のプロモーション活動を通じて、人々に新しい付加価値を提供するプロモーションエージェンシーとして、心豊かな生活の創造に取り組んでいる。

JICでは、この度、業務の効率化と情報の有効活用、さらに自社の新たな付加価値ソリューション展開を目的に、DBに「NeoCore」を据えた、販促ツール自動作成システムPICLS(Publishing Information Computer Linkage Service)/ピクルスを構築した。

システム構築の背景について、経営計画局ビジネスソリューションチームの加藤八十司マネージャーは次のように語る。

「例えば、『北海道周遊』といった、あるひとつの旅行コースの販促展開をする場合、同じ素材をもとにチラシやカタログ、ホームページなど、さまざまな媒体で展開していきます。そうした場合、これまで当社ではそれぞれの担当部署で個別に制作していました。つまり、掲載する情報が同じなのに、チラシやカタログ、Webの各部隊でレイアウト作業や校正作業など、2重、3重に行なっていたわけです。これでは手間も掛かるし、時間も掛かる。データをDBできちんと一元管理して共有しながら、各制作工程の効率化を図ることが急務でした。」


データ項目が定まらない。ならば、データ項目が自由に追加・変更できる「NeoCore」が最適

株式会社エフ・イー・エス/大島真言氏の写真

加藤氏が求めたのは、「ワンソース・マルチユース」を自動的に実現できる、販促ツール自動作成システムである。DBに画像や表データ、テキストを取り込んでおけば、チラシやカタログ等の紙媒体や、ホームページを作成できるシステムだ。また、これだけの利便性を提供できれば、自社のみならず、他業種に向けてASP展開も可能となる。

従って、システムの核となるDBの選定については非常に慎重だったという。特に旅行関連の場合、「代金表」や「日程表」、「おすすめポイント」など、細かなデータ項目がある。日程表ひとつ取っても宿泊先ホテルが複数パターンあったり、成果物の掲載スペースや性格によって掲載項目がフレキシブルだ。代金表についても平日・休前日、シーズンなどによって、細かな料金設定がされている。また、これらのデータ項目の急な変更も頻繁に起こる。

システムの開発を担当した株式会社エフ・イー・エス(以下、FES)の取締役開発部長CTOの大島真言 氏は次のように語る。

「従来型のRDBMSではデータ項目の変更や追加の度にメンテナンスが必要で、パフォーマンスにも不安がありました。JIC様が扱う旅行商品のようにデータ項目が複雑で、なかなか共通規格化できないとなると、XML DBの"柔軟性"はやはり不可欠でした。加えて、ASP展開となると、さまざまな業種で多様なデータ項目に対応しなければなりません。そうなると"スキーマレス"に対応でき、"高速パフォーマンス"を発揮する『NeoCore』が、競合製品の中でも群を抜いており、選択は自然な流れでしたね。」

「NeoCore」ならば、新規にデータ項目が必要となった場合でも、スキーマの変更をする必要がなく、データを入力していくだけでデータ項目の追加が可能だ。また、「NeoCore」がもつ「フルオートインデックス機能」により、データの参照は全件検索ではなく、インデックス検索になるため、十分な検索パフォーマンスを発揮できる。

これらのメリットが決め手となり、「NeoCore」をDBに据えた、販促ツール自動作成システム「PICLS」が立ち上がった。


システム概要と効果

制作期間がわずか1日に短縮。より多くのチラシ展開が可能になり、販売チャンスが拡大

「PICLS」の概要は次の通りだ。それまで個々のアプリケーションに依存していた画像やテキストなどの商品データをPICLSに取り込むことでXML変換され、「NeoCore」上でXMLデータとして一元管理される。制作関係者はブラウザを介して自由にアクセスして活用できる。制作者はPICLS上に登録したチラシやカタログ、ホームページのテンプレートを使って、商品データを指定すれば自動的にファイルが作成される。また、チラシで作った内容をすぐにHTMLに変換して、 ホームページに転用することも画面クリックだけで行える。ホームページ上では、もう少し情報量を増やしたいという場合でも簡単にデータ項目の追加が可能だ。

特に既存のデータから別の販促ツールを作成する場合、今までは2重入力などが発生し、ミスを起こすケースもあったが、「NeoCore」上でデータを一元管理することによって、簡単に転用でき、そこに新しくデータ項目を追加していくこともできる。まさに「NeoCore」の柔軟な特性を活かしたシステムになっている。

JICではPICLS稼動により、従来、1週間以上掛かっていたチラシの制作がわずか1日でできるようになったという。

「データのやり取りの時間やデザインの時間が短縮され、商品データが来たところからそのままチラシの作成工程に入れる。これは単に制作時間の短縮というメリットだけではなく、販売機会の増加が見込めます。今までは5種類しか作れなかったチラシが、10種類作れるようになれば、さまざまな商品をピンポイントに売り出していくことが可能です。」(JIC 加藤氏)

自社での運用をベースにASPサービスとして商品化するにあたっては、特にユーザインターフェースに気を使ったという。

「やはりDTPの制作現場を見ると、まだまだMacintoshが主流です。そこでインターフェースにMacromedia Flashを採用し、Windows、Macintosh両方の制作環境にストレスなく対応できるようにしました。」(FES 大島氏)

また、DTPの知識がない人にも使える、Word/Excel感覚、あるいはホームページの掲示板に書き込むような感覚で作業できることが考慮された。さらに対応形式もPDF、EPS、JPEG、HTML、TEXT、XML、CSV形式と幅広く、さまざまな業種での利用をカバーしている。

今後の展開

流通業をはじめ、さまざまな業種に向けて、「PICLS」のASP展開をめざす

こうしてJICでは、本格的にPICLSのASPサービスを展開している。基本的にチラシ・POP・ホームページの自動作成に特化したサービスであるが、Web上で簡単に商品DBを組めるという特性もある。多くの活用シーンが考えられる中でも、「間際商品」を扱う業種には、特に効果を発揮すると加藤氏は強調する。

「例えば、スーパーのチラシなど、商品価格がギリギリまで決まらないことが多い。PICLSを使えば、臨機応変に素早く対応することができます。また、格安航空券などは実際には毎日価格の変動があります。これまでは『成田~ロサンゼルス間¥33,000~』と幅を持たせて表現していましたが、実際は問い合わせしてみないとその日の価格を知ることができませんでした。PICLSを使うことで、その日の価格をリアルタイムにチラシやホームページで告知でき、他社との競争力を明確に打ち出していくことができます。」

その他にもコンタクトレンズ等の店頭チラシやレストランの日替わりメニューなど、利用シーンは幅広い。これらの頻繁なデータ変更にも「NeoCore」ならば、柔軟かつ迅速なパフォーマンスを発揮できるはずだ。

また、加藤氏はPICLSの導入により、制作工程の作業分担がスムーズに行えるという。

「例えば、クリエイティブなデザインを必要とする印刷物の場合でも、必ず定型的な部分があります。商品名であったり、社名やロゴマーク、スペック表などです。こうした画一的なところをPICLSに任せることで、デザイナーはクリエイティブ作業に専念できます。従来の作業工程を見直すBPRの一環としてもPICLSは有効ではないでしょうか。」

今後はサービス強化が必須となってくるが、その一環として、既にFESの大島氏と共同で、Adobe IllustratorやQuarkXpress等で作成したDTPデータをPICLSに取り込めるオプション商品を開発している。

JICのさらなる発展に「NeoCore」が果たす役割はますます大きいようだ。

システム構成図

株式会社ジェイ・アイ・シー様 システム構成図

お客様プロフィール

株式会社ジェイ・アイ・シー

株式会社ジェイ・アイ・シー ロゴ
〒141-8657 東京都品川区上大崎2-24-9 アイケイビル

  • 設立:1951年8月
  • 資本金:2億円
  • 事業内容:マーケティング・プランニング、クリエイティブ、テレビ・ラジオ広告、新聞・雑誌広告、JTB出版物広告交通広告屋外広告、デジタルメディア・プロモーション、国際広告等の企画・制作、セールスプロモーション、印刷、イベント企画・運営等
  • URL:http://www.jic.co.jp/

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