ITアウトソーシング事例
属性情報の抽出・管理(教材管理情報の作成)
E社
教科書・補助教材を制作する出版社や学習塾などの教育サービスを提供するE社は、レベル別指導や個別指導など、教育サービス自体の多様化に合わせた教育サービスを提供している。それらに用いる大量の教材は、属性情報を教材管理情報としてデータベースで管理し、常に最新の情報を保持している。
教科書は、4年に一度の学習指導要領改訂に伴い、教材も同時に改訂する必要がある。たいていの場合、大幅に内容が更新されるため、改訂された教材に関する属性状況(教材管理情報)も、担当者や管理者によって、改訂後の教材を1点1点確認しながら管理情報を登録する必要がある。
E社では毎年、学習指導要綱の変更や授業内容の見直しに伴い、教材の改訂作業を行っている。近年は学習環境の多様化や個々のレベルに合わせた教材の細分化に伴い、教材を管理するための教材管理情報である属性情報(メタデータ)は年々増加し、膨大になっている。
これらの属性情報の抽出~更新もしくは入力は、担当者が通常業務と並行して入力作業を実施していたため、担当者の負担は年々大きくなりつつあった。さらに額指導要綱の改訂時には、定常的に発生する業務にくわえ、業務量が突発的に増加するため、さらに業務量が増大し、必然的に残業などで補う傾向となっていた。
E社は、教材コンテンツの移行作業やデータ加工作業を数年間にわたってアウトソースし、教材管理のノウハウを有しているサイバーテックに対して、教材の属性情報を整理し、入力する業務のアウトソーシングを打診した。
サイバーテックでは、フィリピン セブ島に有する自社オフショア拠点である、セブITアウトソーシングセンターで様々な教材関連の制作業務を実施している。今回は日本語で作成されている教材の内容を読解し、全て把握した上で教材管理情報を作成する業務であったため、オフショア拠点で実施するのではなく、ニアショア子会社「サイバーテック沖縄」で実施することを提案した。理由は、全て日本人による実施が必要であり、かつ最終納品物がExcelであったため、エンジニアによる作業が不要であったこと、かつ突発的に発生した業務であったため、日本人オペレータの絶対数が当時のリソース的に「サイバーテック沖縄」の方が対応できるキャパシティが存在したこと、かつ日本人自体の単価は日本もフィリピンも同様である事があげられる。費用的に違いが無く、かつ予算内で全て実施可能であることから、100冊の教材管理情報の入力業務を「サイバーテック沖縄」にアウトソーシングする事になった。
サイバーテックを選定したポイントは、「教材の管理や加工に関する経験」と「派遣会社に依頼するよりも安価な価格」であった。
プロジェクト開始後の流れは、お客様からは教材管理情報の入力ルールを提示頂いたあとは、後は納品物に関して最終チェックを行って頂くのみ。サイバーテック沖縄では、データ入力代行を得意とするオペレータとマネージャにより業務を進めた。オペレータはPDFの教材を見ながら、問題構成・問題数・配点といった情報を抽出、それをEXCELに入力していく。入力が終了したらマネージャが内容を確認してお客様に納品する、という流れで進めた。これにより、入力業務と確認業務を別の担当者が実施することにより、非常に高いクオリティで教材管理情報を作成し、納品した。
現場では、オペレータが教材の読み方とルールを理解するまでに多少の時間は必要だが、1週間程で教材の構造を理解し、量産体制に入る事ができた。教材の構造をスムーズに理解出来るのも、教育サービス業界に向けて様々な案件に取り組んでおり、かつサイバーテックがXMLを掲げ、構造化文書の取り扱いに長けているからといえる。また、派遣社員による実施ではなく、アウトソーシングゆえの柔軟な要員調整による納期調整が出来た事も大きい。量産体制後は、管理情報を入力したEXCELファイルを「2週間毎に20冊」のペースで納品する事ができた。
E社では、この教材管理情報EXCELファイル作成案件以外にも、様々なプロジェクトをサイバーテックにアウトソースしている。例えば、DTPデータの加工や、Flashの教材コンテンツをタブレットで見るための動画データ(mp4)への変換などである。
いずれもキーワードは、
が実現出来る事にある。このようにE社の制作業務において、オフショア × ニアショアのコンセプトで提供する「ITアウトソーシング」サービスは、必要不可欠な存在となっている。
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