Skypeが2025年5月5日の「こどもの日」に終了する旨のお知らせが突然来たのは、割と直前の2025年の2月28日。それから本当にSkypeが終了し、約1か月後。現在は使えなくなっています。その後Skypeを起動しようとすると、このような画面が出てきます。
Skype終了の連絡とともに、今後はTeamsに移行下さいというメッセージが当時出ていましたが、そのままTeamsに移行しても良いものかどうか。海外拠点がある弊社では、ビジネスチャットやオンライン通話は重要な業務インフラとなるため、何も考えずに移行するのもかなりイマイチなので、直前まで別の選択肢が無いものか考えました。というわけで、移行先のコミュニケーションツールとして何が良さそうか、社内でいくつか選定しました。その結果がこちらになります。
ツール名 | ブラウザ対応 | 最大人数 | 時間制限 | 音声・ビデオ・画面共有・チャット | UI/導入容易さ | 備考 |
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Google Meet | ◎ Chrome/Edge/Firefox | 100名 | 60分 | ◎ | ◎(馴染み) | Gアカウント必須 |
Zoom | ○(Chrome推奨) | 100名 | 40分 | ◎ | ○ | 一部機能制限あり(背景変更など) |
Microsoft Teams 無料 | ○ | 100名 | 無制限 | ◎ | △(やや複雑) | MSアカウント必須 |
Jitsi Meet | ◎(完全ブラウザ) | 制限なし? | 無制限 | ○ | ○ | ○ |
Whereby | ◎(Chrome/Firefox) | 4名(無料) | 無制限 | ○ | ◎ | URLクリックで即入室 |
Discord | ◎(Chrome) | 数十名(音声) | 無制限 | ○(音声◎、ビデオ△) | △(慣れ必要) | ブラウザ版でも動作軽快 |
Messenger | ○(PC限定) | 最大50名? | 無制限? | △(画面共有制限) | ◎ | Facebookアカウント必須 |
調査の結果、聞いたことが無いコミュニケーションツールも出てきましたが、何だかんだ言って、過去データの移行性を考慮すると、結局はSkypeの後継ツールとして推奨されているTeamsに移行することにしました。
Skypeには特別な思い入れがあります。Wikipediaによると、初版のバージョン1.0.0.9がリリースされたのが約20年前の2004年7月27日という事のようです。このSkype、出てきた当初から注目しており、Skypeがあるからこそ、当時サイバーテックとして、オフショア開発を真剣に考えて、自社オフショア拠点を設立しよう、と思ったきっかけにもなります。当初は上海で検討しましたが、その後フィリピン セブ島に拠点を設立したのが2006年。調査等でその一年前から渡航を繰り返していたので、Skypeにはリリース当初から本当にお世話になりました。
Skypeが出てくる前は、海外とスピーディにコミュニケーションを取ろうと考えた場合、メールでのやりとりが無料ではありましたが、ニュアンスなどなかなか伝えるのは至難の業。となると国際電話となります。ただし国際電話は高額になるだけではなく、当時はスマホも無いので自動的にローミングするという概念ではなく、発信するときは固定電話から頭に「001」発信をするような流れで、手軽に海外とコミュニケーションが取れる環境ではなかったと思います。
そのような中、「国際電話が無料で出来る!」という触れ込みでSkypeを知った当時は衝撃的でした。安く国際電話が使えるというのであればまだしも、無料という点が到底信じることが出来ず、後で高額の請求が来るんじゃないかと疑心暗鬼の状態で当初は使い始めてみたのですが、いざ使ってみると、割とナローバンドの環境であっても普通に話せるし、チャットも併用しながらコミュニケーションが取れるこの仕組みに感銘を受けました。
フィリピン セブ島でのオフショア拠点設立までのお話は、こちらの「フィリピンでのBPO・オフショア開発~ITアウトソーシングからラボ型開発まで」に詳しく記載しておりますので、宜しければご覧ください。
サイバーテックがフィリピン セブ島に今も有する自社オフショア拠点「セブITアウトソーシングセンター」は2006年8月1日に設立しましたが、その際社内のコミュニケーション基盤として、メールと併用する形で現地ではSkypeを採用したとともに、日本とセブ島を行ったり来たりしていた私もフル活用しはじめました。当時日本国内の本社側にはメール以外のコミュニケーションツールが何も導入されていなかったので、セブITアウトソーシングセンター側に合わせる形でSkypeを導入し、それからずっとSkypeはセブITアウトソーシングセンター内や本社との間だけではなく、本社内でのコミュニケーションツールとしても重要な役割を果たし続けてきました。そのような状況で2019年末あたりから始まったコロナ禍において、テレワークへのシフトが急務となった状況であっても、サイバーテックの場合は違和感なく、従来通りSkypeを活用しながら業務を継続することが出来ました。
さて、Skypeから移行したTeamsですが、通常使うチャットとオンライン会議のインビテーションが同じアプリ内で出来るので、例えばメールや社内のSkypeでZoomのインビテーションを送るといったことが不要になり、オペレーション自体はスマートになりました。
ただし、Skypeでは気軽にグループでお話が出来ましたが、現状はまだ無料版のTeamsを使っているため、グループ通話が最大60分という制限時間が出来た上に、発信者が一度グループ通話から抜けると、再度グループ通話内に入れない事がある、といった不具合もあるようです。さらにPC版のTeamsは目の形のような既読マークが付かないことも多く、また通常使うTeamsを起動したまま招待されたTeams会議を使おうとすると時々入れないといった問題など、色々と不具合が発生しているようだ、という声を社内から聞きます。
どうもSkypeから移行したユーザに色々不具合が出ているような気もしており、Teamsの品質が向上することは期待したいところですが、仕様としてグループ会議が現状60分に限られているという点に関しては、安易に全員有償化をするのではなく、だらだらと話をするのは良くない事と割り切って、ショートストロークで数を打つコミュニケーションスタイルに変えて行こうと考えています。
というわけで、社内ではTeamsネタの話がまだまだ尽きません。笑