1998年2月に最初の標準勧告がなされて以来、XMLはさまざまなシーンで利用されるようになりました。マニュアルなどの電子文書に用いられることもあれば、データベースとして活躍することもあります。また、インターネットとの親和性の高さもXMLの特長のひとつ。このXMLとインターネットの普及にともなって注目を浴びているのが、本格的な普及を目前に控えた「Webサービス」です。Webサービスという言葉を目にする機会は、2002年頃から急速に増え始めています。今回は、Webサービスの特長を紹介し、その中でXMLがどのように役立っているかを解説します。

言うなれば、インターネットを介して企業の壁を越えた分散アプリケーションを実現できるのがWebサービスなのです。この例では、それぞれの企業は自分たちのコアとなるサービスをWebサービスとして提供。利用する側から見れば、自社のシステムをあまり変更することなく、質の高いサービスをシステムに組み入れることができるようになります。
このWebサービスが登場した背景には、インターネット環境の大幅な進化とXMLの普及があります。
インターネット環境については言うまでもないでしょう。回線の大容量化とコスト低下だけでなく、IP-VPNなどの普及によりビジネスに求められる安全性も確保できるようになりました。利用者のすそ野も広がり、もはやあって当然のインフラとなっています。そしてもうひとつ、Webサービスにおいて大きな役割を果たしているのがXMLの存在。それでは、なぜWebサービスにとってXMLがそれほど重要なのでしょうか。
これには、従来のEDIや分散アプリケーションとインターネットの関係について考える必要があります。これまでのEDIといえば、企業と企業を一対一の専用回線で接続し、データ連携の方法やプロトコルは独自の仕様というもの。インターネットを利用できないためコストも非常に大きく、ある程度の規模の連携にしか適用できるものではありませんでした。また、分散アプリケーションもインターネットには適しませんでした。CORBAやCOMといった分散アプリケーションはそれぞれ独自のプロトコルを利用するため、一般的なインターネットではファイアウォールを超えるのが難しく、異なるシステム間での連携もできなかったのです。一方、XMLによるデータ連携ならば、システムの違いを気にすることなく連携可能。また、元々がインターネットに適した形で作られているため、一般的なインターネット環境で簡単に利用でき、小規模なシステムにも適しています。成長著しいインターネットを介してアプリケーションの連携をおこなうためには、どうしてもXMLが必要だったのです。

WebサービスでXMLのメッセージやデータをやり取りするためのプロトコルがSOAPです。XMLデータを単にHTTPやSMTPで送るだけでは、アプリケーションの連携はおこなえません。そこで、オブジェクトの宛先などの付帯情報をヘッダとして含んだSOAPエンベロープ(封筒)を用意し、その中にXMLデータを格納するのです。SOAPで通信をおこなう場合、両社がSOAPの生成エンジンと解釈エンジンを用意。それにより、互いが異なるシステムであってもXMLデータの交換が可能になるのです。

このようにXMLの存在によってWebサービスが実現したのですが、本格的な普及に向けてはまだ課題も残ります。たとえば、仕組みが簡単な反面、正確なロールバック処理などが難しい点、互換性の保証がまだ不完全な点など、クリアすべき点は決して少なくはありません。しかしながら、インターネット環境がますます充実し、Webサービス対応のツールも各社から提供される中、Webサービスがアプリケーション利用の新しい形として普及していくのは間違いないでしょう。
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