ふりかえり~自社オフショア拠点をフィリピン セブ島に開設した事は、本当に良かったのか?

結論から言えば、自社製品を有しており、かつ確固たるノウハウ(=XML)と、特定分野に強い(=ドキュメント分野)という事業構造があったので、本社から現地に技術移転やノウハウを共有する範囲を絞ることが出来たため、結論としては良かったと思います。

ただし、そのような事業構造ではない、もしくはそれらが存在しない企業(典型的なパターンは、得意分野や活用技術がばらばらである、ソフトハウスなど)であれば、自社オフショア拠点を設立するのではなく、プロジェクト単位でオフショア企業に発注したほうが、多大なリスクを抱えることなく、エンジニア調達とコストダウンの両方を実現することが出来るのではないでしょうか。

理由としては、以下のような問題が存在するかと思います。

◎現地での採用~教育~スキルアップなどの目標がぶれる

日本国内であっても、採用活動~教育~スキルアップはなかなか上手くいかない事が多いかと思いますが、異国の地であれば、なおさら難易度は上がります。中途採用であれば、現地で採用しなければならないスキルセットがぶれます。さらに教育する側も、何を教育すれば良いかという観点が非常に難しく、とりあえずJavaを学習しておけば何とかなる、というものではありません。

◎本社と現地とのコミュニケーションギャップが大きい

なんでもやる系のオフショアは、現地スキルがばらつくだけではなく、日本とオフショア拠点間のコミュニケーション自体もぶれます。それは日本人同士であっても発生します。お互いわりと分かることであればTELやメールで「類推しながら」内容を伝えることが出来ますが、全く新規のことはなかなか伝わりません。車を運転したことがない人に、車の運転シミュレーターのシステム構築を依頼するような感じでしょうか。

◎余りコストダウンにはつながらない

マネジメントのオーバーヘッドが一番大きいので、コストダウン目的ではそれなりの規模感が無いと、意外と効きません。かつ、日本国内では想像が出来ないほど、労務リスクは頻発します。

それを回避するための必須条件としては、フィリピン人の管理者やHR担当者を採用する必要がありますが、一人では心もとないので最低2名は必要でしょう。そうなると、マネジメントのオーバーヘッドにくわえ、様々な管理コストもプラスされるため、少なくとも30~40名ぐらいのフィリピン人が稼働している状況にならないと、コストメリットは出てこないかと思われます。

リソース目的であれば、自社拠点開設という面倒な手段を択ばなくとも、それらに長けた企業に委託した方が手っ取り早く、スピード的にも早期にプロジェクトを立ち上げることができます。

最後に、仮に現在オフショア拠点を有していないと仮定し、どこかの地域で自社オフショア拠点を開設しようと考えた場合、現在の私から考えると、少なくともセブ島は選択肢から外します。理由としては

  • 既に先行しているベンダーが強い(=つまり弊社のことですが)
  • 外資企業などが進出しつつあり、日系企業は狙われやすい
  • 上記状況の割には、人口が少ないのでIT人材の輩出キャパが小さい

といったところでしょうか。ただし、どの拠点で実施する場合であっても、自社オフショア拠点設立は多大な先行投資と数年間の助走期間が必要となるため、スピードの速い現在のビジネス環境において、そもそも自社オフショア拠点を設立するかといえば、微妙なところです。

私が言うのも何ですが、スピードを取るシーンが多そうなので、どこかのオフショア・ベンダーに依頼する形を取るような気がします。笑

日本は島国であり、ムラ社会であるため、「オフショア開発」はなんとなく不安、という方が多いのではないでしょうか。当社も最初はそうでしたが、高い授業料を払って乗り越えてきました。今までの投資コストや期間を考えると、もう一度やろうかと思うと、余り思わないです。ただし、そのようなノウハウを皆さまのオフショアプロジェクト運営に活かすことを通して、皆さまのプロジェクトを成功に導きたいと考えています。

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