フィリピン セブ島に自社オフショア拠点を開設することに

ところが、状況が一変します。

委託候補先2社のうち1社とは進んでいましたが、もう1社と協議をすすめていた矢先、その企業の日本本社が不祥事にて経営破綻しました。その手の話には非常に敏感なようですが、現実的に現地拠点には全く案件が来なくなったようで、自分たちはこのままで良いのか?という不安から、ばらばらと退職してゆくという状況になりました。同時に、我々がラボ契約しようとしていたエンジニアたちも退職する、という話になりました。

なにぶん急な話であり、時間も無い中、離脱したエンジニアの受け皿として、現地に会社を作れば良いのではないか、という考えに至りました。そもそもパイロットプロジェクトとしてセブシティを選択したのは、リゾートがあるからではなく、英語圏であるにもかかわらず物価が安く、かつ当面は急激な経済発展は無いであろう、というきわめて合理的な考えです。

そのような状況のもと、日系の独立系IT企業がほぼセブシティに存在しない状況である現状、自社で拠点を開設することに成功すると、確実に先行者メリットを得ることができるという考えがありました。まだまだ不透明ではありましたが、少なくとも将来的な目標である英語圏の進出にあたり、英語でのサポート拠点を確実に設置できるということは実現できます。

とりあえず現地の弁護士のところにかけこみ、法人登記をすませました。私には留学経験もありませんが、普通に日本で学んだ英語のみでなんとかお話(?)をしながら、登記まで済ませ、受け皿をつくることにしました。その登記が2006年8月1日。その後、当時は日系のIT企業が珍しかったのか、設立当初はフィリピン人1名でしたが、人が人を呼び、あっという間に50名規模になりました。

現地の運営は、当初日本式オペレーション(納期厳守のプロジェクト型)で進めていましたが、どうもフィリピンの国民性にはなじまかったようで、設立当初は50名ほどいたフィリピン従業員がどんどんやめてゆき、結果的に8名まで減少しました。

このままでは閉鎖するしかありませんが、打開策として色々と考えました。結論として、「郷に入っては郷に従え」、マネジメントは日本式ではなく、フィリピンスタイルで行うことにしました。そして、本社が受注した案件をプロジェクト型ですすめるのではなく、各個人が保有するスキルにマッチしたタスクをラボ契約形式で割り当てる、という事を基本路線として実施することにしました。

ハイスキルからロースキルまでさまざまなスタッフがいましたので、ハイスペックのエンジニアは開発を、ロースキルのスタックはHTMLコーディングなどを行うことができるよう、敷居の低いIT分野の受託サービスを「ITアウトソーシング」という形で外販する旨のリソースを2011年に実施し、正式にお客様にご提供することを開始しました。

そもそも欧米資本の会社が多数ある中で、日本資本の会社に就職したいというメンバーも増えてきました。理由は、フィリピン人は日本のアニメや漫画などの文化が好きだから、という事のようであり、それが生まれてくる国の会社である、サイバーテック・セブITアウトソーシングセンターが好きになってくれています。

上記のような背景もあり、当社の事業の根幹である、コンテンツマネジメントに興味を示すメンバーも多いのではないかと考えています。また、そのような背景もあり、あくまで感覚ですが、フィリピンにおける欧米資本のシステム会社より、日本資本のシステム会社の方が社員の定着率はかなり高いように感じます。

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