アウトソーシング・BPOと下請け・外注の違い(例:Webサイトの運用・運営代行)

「アウトソーシング・BPOが求められる背景」タイトルイメージ

アウトソーシングは、直訳すると「外部資源の活用」となりますが、従来の外注や下請けと同じではないかと考える方も多いのではないでしょうか。確かに広義には外注や下請け等を含めてアウトソーシングやBPO(Business Process Outsourcing)と呼ぶことがありますが、ここで書かせて頂くアウトソーシングは業務の品質を上げつつコストダウンを実現し、企業の収益性を高めていく戦略的な経営手法となります。下請けや外注という依頼方法は、個別の案件単位で手が足りないときに依頼内容を熟知した元請け企業が、全体の一部(場合により全部を丸投げ・・・良いかどうかはさておき)を切り出して委託するという意味合いで使われます。

一方、アウトソーシングやBPOは大企業でリストラの一環として行われ、コストダウンを目的とした手段という誤解もされています。しかし本来アウトソーシングやBPOは、「コストダウン」に加え「業務品質の向上」「企業の収入性アップ」という狙いを併せ持つものであり、単に業務を外部に出すことがアウトソーシングだと考えると、せっかくのアウトソーシングの良さを十分に活用できません。従来の下請けや外注とは違った大きな可能性を秘めた手法であり、まさにアウトソーシングとは「企業の改善委託」と言えます。

アウトソーシング・BPOと下請け・外注との違いについて、Webサイトの運用・運営業務のアウトソーシングを行った会社の事例を紹介しましょう。

この会社の従業員は100名ほどで、管理部はそのうち5名在籍しています。その中にたまたまWebに詳しい女性社員が一人いたので、企業の顔となるコーポレートWebサイトの更新ですが、彼女が他の業務と掛け持ちで行っていました。その社員が退職することが決まったのを機に、社内に後任としてWebサイトを更新出来そうな社員もいなかったため、Webサイトの運用業務についてアウトソーシングを行う検討を開始しました。

それまでは、管理部で行う様々な業務の合間にWebサイトの更新が行われていたので、来月の様々な告知内容をWebサイトに反映する作業は、管理部が一番忙しい月末付近は彼女も対応する余力がありませんでした。そして本来の管理部の業務が一段落した翌月5営業日以降にやっと着手できるような流れであったため、本来即時性がウリのWebサイトにもかかわらず、告知がどうしても後追いになっていました。例えば、セミナーや会社説明会などの案内が後手後手に回ってしまい、Webが持つ本来の有用性をうまく活用できていませんでした。

そのような状況であるため、スマホに対応しないWebサイトのまま放置されていただけではなく、どれぐらいのアクセス数があるのかもウオッチしていなかったため、アクセス数は右肩下がりとなっていました。また、同社では管理部が主導で新卒採用を積極的に行っていましたが、イマドキの学生から見るとスマホ対応していない旧世代のコーポレートWebサイトを見て、会社説明会にとりあえずエントリーはされるものの、実際の参加率は極端に低い、という現状が続いていました。

そこで、この会社では正社員でなければいけない仕事とはいったい何なのかを十分に検討しました。その結果、正社員は本来の管理業務や採用業務を行い、コーポレートWebサイトに関しては、後任を置かず、かつ専門性を追加した形によるアウトソーシングを行うことに決定しました。その結果、通常のWebサイト更新業務に加え、月額費用内で少しずつWebサイトのリニューアルが実施できただけではなく、アクセス数の把握や、それに伴うWebサイトのカイゼンを実施することに成功しました。

また、今回のWebサイト運用業務のBPO導入時に、業務を棚卸した際に分かった事として、片手間とはいえ、Webサイトの更新を素人の方が見様見真似で実施していたので調査時間も実はそれなりにかかっていたことが判明しました。自社の社員だから、「あまり高度な要求をしてもまだ無理だろう」とか「教えていないのだから、多少時間がかかってしまっても仕方がない」という意識が生まれるのです。つまり、社員であることがかえって業務の質を高める妨げになるのです。

福利厚生費を含めた給与に換算した費用と比較すると、今回のWebサイト運用業務のBPOにより3分の2のコストダウンを実現したばかりではなく、Webに関する様々な改善提案や、費用内でアクセス向上のための施策や採用活動に利くWebサイトの更新を素早く実施してもらえるようになりました。それらの活動を通して、BPOを実施した初年度の売上は過去最高を計上しただけではなく、苦労していた採用活動において、優秀な新卒社員を2名、採用することができました。

ここで大事なのは、結果的にコストダウンは実施出来てはいますが、たとえコストダウン額がゼロであったとしても、委託企業は十分メリットを得ているということです。委託企業が得たメリットはコストダウンではなく、担当者の退職に伴う後任を置かなかったにもかかわらず、Webサイトへのアクセス数UPや、採用活動の成功という、本来宣伝広告や採用広告の費用を出して得るようなメリットを得た、ということになります。

これがBPO(アウトソーシング)の力です。専門家の仕事を、採用コストも含めた正社員の人件費よりも安いコストで実現できるのです。専門家に頼むと高くつくのではなく、専門家だから同じことを安くできるのです。

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